肉や魚の焦げは、糖とタンパク質の反応(メイラード反応)によるものです

グリルで魚を焼くと、こんがりと焼け目ができて、

何とも言えない、食欲を誘う香ばしいにおいが漂います。

 

ここで起きているのが「メイラード反応」と呼ばれる反応です。

メイラード反応は、別名「褐色反応」と呼ばれるように、

加熱調理において焦げ目が生じる反応のことです。

 

パンの焼けた色、焼肉や焼き魚の表面、ごはんのおこげ、

すべてメイラード反応によるものです。

 

科学的な話をすると、メイラード反応は、

タンパク質のアミノ基と糖のカルボニル基が反応し、

その過程で「メラノイジン」と呼ばれる褐色いろの高分子が形成されます。

 

更に、気体成分は、アルデヒドピラジン類で、

メイラード反応の途中の「ストッカー分解」という過程で生成します。

 

煮込み料理を作る前に、肉に焦げ目をつけるのも、

「焦げ」という味つけをする意味合いがあります。

 

また、肉にはちみつを塗って焼いたり、

玉ねぎに砂糖を加えて焼くのも、

メイラード反応を起こすのに一役買ってます。

 
メイラード反応は非常に複雑な反応で、

その反応機構がすべて明らかになっているわけではありません

 

食品科学界は今も、メイラード反応の詳細を解明するための

国際研究会議を開催しています。

 

この問題を解明したら、ノーベル賞を取れるかもしれません。

 

このメイラード反応によって生じるメラノイジンは、

酸化を防ぐ抗酸化性を持っているので、

食品の保存性が高まります。

 

確かに、生の魚や肉よりも、焼いた魚や肉の方が保存が長くできるかも。

 

また、焼肉や焼き魚の焦げの部分には、発がん物質である

ヘテロサイクリックアミン類がごく微量に含まれます。

 

これもメイラード反応によって生成します。

一方で、その発がんを予防する抗がん物質も合わせて形成されます。

まぁ、ごく微量なので、あまり気にしなくていいのかも。

 

ちなみに、私は、焦げた魚の皮をバリバリ食べます。