味醂

味醂』これ、『みりん』と読みます。

味醂の作り方は、 

蒸した米に麹を混ぜ、焼酎や醸造アルコールを加えて

熟成させたものを濾過して作ります。

麹菌のアミラーゼによって、でんぷんが糖化するので、甘味が生まれます

 

日本酒の作り方と違うところは、

日本酒は醸造アルコールを加えず、酵母の力でアルコールを作りだします。

 

味醂を作るときは、焼酎を加えるので、アルコール発酵が進まず、

日本酒にはなりません。

 

甘味が貴重だった江戸時代には、

味醂に焼酎を加えて甘味をおさえたものが、愛飲されていました。

甘いお酒には、根強い人気がありました。

米には匂いが移りやすい

さぁ、ご飯を炊こう!

あれ、米びつの米が切れてるや。

さ、倉庫から米を持ってこよう!

 

・・・1時間後

 

ご飯も炊けたし、夕食を食べよう!

いただきます!

まずは、炊きたてのご飯を一口。

あれ、なんだか、おいしくない。

コメどころのブランド米だから、おいしいはずなのに。

そういえば、洗剤のような、甘い香りがする。

ひょっとして、倉庫で保管していたけど、

あそこには、洗剤とか、シャンプーとかも保管していたな。

ひょっとして、洗剤の香りが米に移った?

 

皆さん、こんな経験ありませんか?

米は、香りが移りやすいので、保管場所は大事です。

  

最近は、ドラッグストアでも食品を取り扱うようになっているので、

ドラッグストアで、米を買うことがあるかもしれません。

ドラッグストアには、洗剤とかなどの、

匂いがする商品がたくさんあるので、

米を買う前には、米の売り場の周辺を確認した方が良いかもしれません。

 

倉庫での保管方法までは、分からないですが。

グルタミン酸は、なんと、母乳にも含まれています

 

 

離乳食に、だしを加えると、赤ちゃんは喜んで食べます。

なぜだか、知ってますか?

だしは、赤ちゃんにとっとも、なじみの味だからです。

 

実は、母乳にも、なんと、グルタミン酸が含まれています。

おまけに、イノシシ酸も。

昆布とカツオ節でとった、ダシのようです。

 

なぜ、母乳に旨味が含まれているのでしょうか。

一つには、味付けのためといわれています。

 

たとえば、、味付けしていない野菜スープは喜んで食べないのに、

グルタミン酸を加えると、赤ちゃんは、喜んで食べます。

生まれながらにして、うまみが分かっているのです。

 

逆に、若者がうまみを認識できなくなるのは、

ファストフードを含めた、加工食品の取りすぎが原因かもしれません。

 

動物も同じです。実は、動物も、うまみが大好きです。

甘みが好きなのは、糖がエネルギーの源だから。

苦みは、毒のシグナルであるので、食べません。

また、酸味は腐ったものの味なので、これも食べません。

 

それでは、うまみは、何のシグナルを発しているのか。

うまみは、タンパク質のシグナルであると考えられます。

 

タンパク質のあるところには、

タンパク質の分解物、もしくは、原料にグルタミン酸が存在するので、

うまみはタンパク質のシグナルとなるのです。

『舌が肥えている』ではなくて、『脳が肥えている』が正しい表現です

 

グルメな人は、舌が肥えていると言いますが、

それは間違いで、肥えているのは、実は脳なのです。

 

いろんなおいしいものを食べると、その記憶が脳にたまっていきます。

すると、脳が微妙な味わいを区別することができるようになるのです。

 

舌などで感知された味の情報は、脳に伝わります。

味の他にも、におい、形、色、温度などの情報も伝わります。

この情報を過去の食体験と照らし合わせて、食べでも良いか、判断しています。

 

食べ物を食べるときは、味だけでなく、

その場の状況もあわせて記憶されます。

お袋の味なんていいますが、母親が作った料理を

みんなで食べたなどの、その場の状況もあわせて、

良いイメージとして記憶されます。

 

逆に、嫌な雰囲気で食べたものは、嫌いなものとして記憶されます。

 

私が嫌いなものとして、甘エビがあります。

子供の頃は、日本海側に住んでいて、

嫌というほど甘エビを食べさせられたので、

好きではなくなってしまいました。

 

食べ物の情報は脳に記憶されるので、

韓国やインド人は、子供の頃から辛いもの食べるので、

それが好みになるし、

日本人は子供のころからうまみを口にするので、それが好みになるのです。

 

また、辛いものを食べ続けたり、塩辛いものを食べ続けると、

脳が鈍感になるので、より辛いもの、より塩辛いものを口にしたくなります。

 

味の好みは、脳の記憶なので、子供の頃に何を食べるのかは、重要です。

ファストフードばかり食べると、やはり、それが欲しくなってしまうでしょう。

カビ

9月に入ったが、まだまだ、暑い!!

湿度も高いから、汗が噴き出します。

 

こんな環境では、食べ物が腐ってしまいます。

 

ところで、スルメとか、乾物は腐りませんが、なぜだか、しってますか?

これには、水分が大きく関わっています

 

カビや大腸菌は、水分がないと生きていけません。

水分のない、乾物にくっつくと、水分を吸い取られ、

細胞膜が壊れてしまうので、死んでしまいます。

だから、乾物は腐らないのです。

 

同じように、塩を多く入れたり、砂糖を多く入れると、

水分は、塩や砂糖にくっついて、

自由に動けなくなるので、

カビや大腸菌が増殖するために使えないので、腐りにくいのです。

ローストビーフをうまく作るには、なんと、フライパンで焼くのが最高です

 

ローストビーフ、あれ、家庭で作るのは、なかなか難しい!

本なり、インターネットなり、どの媒体でも

オーブンを使って作るのがオーソドックスです。

 

けれども、オーブンで焼こうとすると、

肉に火が入りすぎてしまって、肉がパサパサになり、

あの、ジューシーな味わいがなく、おいしくない。

 

でも、じつは、フライパンで、ローストビーフができてしまうのです。

 

1.冷蔵庫から肉をだして、30分ほど置いておく。

これによって、肉内部の温度が上がり、火がとおりやすくなります。

 

2.次に塩をまんべんなくふって、
 フライパンの弱火でコロコロ、コロコロ、10秒毎にひっくり返します。
 

3.10分経ったら、アルミフォイルで巻いて、30分ほど放置。

余熱で内部まで火がとおります。

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ジューシーで、肉の味わいがあり、

塩をつけて食べるのが、最高です。

 

さて、肉を加熱すると、温度が65℃を超えるとタンパク質が固まりはじめ、

80℃以上になると、水分がなくなっていきます。

水分が抜けた肉はパサついておいしくありません。

なので、熱を通し過ぎると、パサパサしておいしくないのです。

おいしいローストビーフを作るためには、火加減が大事なのです。

 

けれども、火の通りが甘いと、食中毒の危険があります。

食品衛生法では、特定加熱食肉製品は

その中心部の温度を63℃で30分間加熱する方法

又はこれと同等以上の効力と記されています。

75℃であれば、1分ほどです。

 

 

また、ロゼ色の肉はおいしいですが、赤い肉汁が出てくることがあります。

これは、肉のタンパク質のミオグロビンが含まれているためです。

血ではありません。

 

 

十分に加熱すれば大腸菌が死滅しているので、

肉汁が赤いかどうかは、関係ないのです。

 

塊肉は、肉の表面に大腸菌がいるだけ、内部には大腸菌があまり存在せず、

豚肉と違って寄生虫もいないので、

表面から1cmくらいまでが焼けていれば、腹をこわす危険性は低いです。

江戸時代の栄養ドリンクと言えば、そう、甘酒!!

麹菌という、かびと同じ仲間の糸状菌の胞子を、

米などの穀物につけて、十分に麹菌を増やしたものを、麹といいます。

 

この麹を使って米を発酵させると、甘酒に、

酵母とともに発酵させると、日本酒になります。

 

麹には、糖質、タンパク質、脂質を分解する働きがあるので、

米を発酵させた甘酒には、ブドウ糖が20%も含まれ、

更にビタミンB1 2 6を含み、すべての必須アミノ酸を含むんでいます。

甘酒には、まさに、病院の点滴と同成分が含まれています。

 

江戸時代には、夏によく飲まれていました。

江戸時代には、夏に死亡率が高かったので、

栄養ドリンク剤として、飲まれていました。

そんな名残から、今でも、俳句の世界では、甘酒は夏の季語です。

 

現代でも、麹は塩麹として、家庭でも使われています。

肉に塩麹をつけると、甘味が増し、

更に、タンパク質を分解してくれるので、旨味も増します。

 

最近では、液体麹なるものが売られていて、重宝します。

塩麹だと、やはり、白いつぶつぶが残るし、

また、液体だと塗りやすく、浸透も早いです。

 

うちでは、鶏肉に液体塩麹を塗り、

1時間ほどおいた後、片栗粉をまぶして油で揚げ、

タルタルソースをそえて、油淋鶏として食べます。

 

塩麹の塩気、甘味、さらには旨味を増した鶏肉に、

少し酸味をきかせたタルタルソースをかけて食べると、最高です。